タコス鈴木の
最初のトルティーヤの話
 
タコス鈴木が奥沢でメキシコ料理店を始めた頃のトルティーヤはメキシコから輸入した粉を使って作っていました。

今みたいにメキシコからの食材が割と簡単に手に入る時代でなく、苦労したことを覚えています。

お客さんからは軽くて食べやすい皮と好評でした。 しかし、その後全く粉が手に入らない時期があり、メキシコから来たシェフが、しかたなくコーンの粒をすり潰して、トルティーヤを作っていました。

メキシコの古来の作り方で、一部のお客さんには良かったのですが、風味はあるけど、ごわごわして固いというお客さんも多くいました。

なんとか軽くて美味しい日本人好みの皮ができないかと思っていたところ、メキシコのシェフが帰国して、完全にに引き継ぐことになったので、日本で製粉した粉でトルティーヤを作ることを始めたわけです。

日本で一般に売られているコンスターチやコーンフラワーでは、思い通りの皮ができなくて苦労しました。

その時に残念ながら今はない岡山の製粉会社の木山さんという営業の人がコーンのいろいろな粉を持っていて、いろいろ相談にのってくれました。

大手の会社だけを相手にしている会社だったのに、小さな料理店の店主の皮作りに多大な協力をしてくれて、いまだに感謝しています。

良いコーンの原料に恵まれて、トルティーヤ作りが順調に行き、満足できる皮ができたわけです。
ただこの皮は焼き直しをすると極端に味が落ちるという難点がありました。
自分で焼くときは生の皮を冷凍にして、冷凍のまま焼いてお客さんに出していました。 冷凍と言っても生から焼くので美味しくないはずはないのです。

メキシコ料理店を閉めて、代官山ディセやラゾーナ川崎にタコスの店として出店して、この皮を広めようとしたのですが、焼きたては最高ですが時間の経過と共に極端に味が落ちるので、難しい状況でした。

レストランのシェフも興味を持ってくれて、メニューに入れてくれたのですが、冷凍の皮を焼くという難しさで、なかなか定着しませんでした。

ナショナル麻布、田園のスーパーの店頭でタコスの店を出したことがあって、出店をやめた後も食べたいというお客さんが居るので、ナショナル田園の冷凍売り場にはこの冷凍の生トルティーヤを置いてもらっています。
じょうずに焼けて食べているお客さんもいるようで、けっこう出ていて有り難いですね。 ちゃんと焼ければ絶対美味しいんだけどね。

レストランでは赤坂のPOCOLOCO(ポコロコ)、ちょっと舌を噛みそうになってしまうんだけど、ここの青木シェフがかなり気に入って頑張ってくれています。  お客さんの評判もかなり良いとのことで嬉しい。

 
 

 タコス鈴木のコーントルティーヤ、手づくりの工程! これが原点...

1.コーンの粉を混ぜる 2.良く練る
4.乾燥を防ぐ 3.ちぎる
5.丸める 6.プレス器にのせる
8.きれいに延ばす 7.押し込む
9.フライパンにのせる 10.焼き上がり
ナショナル田園スーパーなどで販売しているコーンの生皮(冷凍)
 焼きたては最高!
奥沢のメキシコ料理店「エル・パソ」ではすべて手づくりでしたが、現在は延ばすのは特注のプレス機を使っています。 とは言っても、かなり手づくりっぽいですけど。

これは石川県の大型豆腐製造機のメーカーの佐藤さんが作ってくれたもので、面倒な小さいものを良く作ってくれたと感謝しています。 

最近はトルティをカットしてチップにするときの、カッターをお願いしていて、設計から製造までかなり苦労しているようで、申し訳ないですね。 こんな細かい仕事、会社は嫌がるでしょうから。 
何で受けたと怒られなければいいけど。